「安定したいから成長したい」東大生がこぞってコンサル目指す、矛盾した心理をレジー氏が解説
日本の社会における働き方とキャリアの問題を解く 気鋭の著者・レジー氏インタビュー
■成長圧力が子供にも降りてくる?レジー氏の問題意識
最後に、レジー氏が今後書いてみたいテーマについて尋ねてみた。そのうちの一つは、「成長圧力の低年齢化」だという。
「子供向けのロジカルシンキングの本が出ていたり、高校でキャリアに関する話がされるような時代になっている。この本で扱った成長圧力の低年齢化は気になるところです」
実際に中学受験生の親でもあるレジー氏。学校説明会では、留学を通じて英語ができるようになる、といった「スキル」が売りとして前面に押し出されているという。
「説明会で『役に立つ勉強』みたいな打ち出し方があるとどうしても反応してしまいます(笑)。今回の本で扱ったような世相は、中学受験のあり方ともつながっているのかもしれないですね」
散々我々を苦しめてきた成長圧力が、ついに子供たちの世界にまで降りてくるのか——暗くなるばかりだが、レジー氏の論考は楽しみである。
取材・文:BEST T!MES編集部

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東大生の就職人気ランキング上位をいつのまにか独占するようになった「コンサル」。この状況の背景にある時代の流れとは? 「転職でキャリアアップ」「ポータブルスキルを身につけろ」そんな勇ましい言葉の裏側に見えてきたのは、「仕事で成長」を課せられて不安を募らせるビジネスパーソンたちの姿だった。時代の空気を鋭く切り取った『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』の著者が、我々が本当に向き合うべき成長とは何なのかを鮮やかに描き出す。圧倒的な努力や成長への強迫観念に追い立てられている人たちのための一冊。
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